自炊、楽しんでますか?
人生が大逆転する自炊の法則をお伝えしている自炊コーチの藤本裕子です。
本日は「美味しさはテクニックだけじゃないよ」について書いてみました。
料理教室に来られる方はみなさまとても勉強熱心です。
美味しい料理を作りたい、そのための技術を学びたいと前向きです。
なので、私も、知っていることは全部お伝えしたいと奮闘するのですが、
時々、生徒さんと私の意図がすれ違ってしまうことがあります。
それは私の説明不足&言葉足らずなのが一番の理由。本当に、こればかりは日々精進です。
しかし、いろいろ分析する中で、そのすれ違いは、
目に見える部分の解決策を求めている生徒さんに対し
目に見えない部分の整え方をお話しているからだと気づきました。
私も、目に見える部分やテクニックはとても重要だと思っています。
料理をする上で、野菜の切り方、煮物の火加減、炒め物の混ぜ方など、
目に見えて動かさなければいけないことはたくさんあります。
算数のように1+1=2という明確な答えがある場合もあるでしょう。
だけど、料理のほとんどは〇×をつけて判定できるほど単純ではありません。
明確な答えがないものが大多数です。
さつまいもを煮る時間もお肉の焼き加減も、〇分です!と決めつけることはできません。
だからこそ、悩むし、迷う。
自分で考えて、ここだというタイミングを自分で決めないといけないからむつかしいのです。
教科書やマニュアルを頼りに生きてきた私たちは「自分で考えること」が苦手です。
勉強が得意な人ほど、料理に求められる曖昧さや臨機応変さに苦戦しているように思います。
一方で、私が習ってきた料理教室は目に見えない部分をたくさん教えてくれるところでした。
例えば、美味しいごはんを炊きたいと思ったとき、あなたはどうしますか?
ほとんどの人は目に見えるものに意識をむけます。
・美味しく炊けるお米を選ぶ
・美味しく炊ける道具(鍋や炊飯器)を探す
・美味しく炊ける火加減と時間を調べる など
だけど私が習った料理教室では、
上記のような目に見える知識やテクニックだけでなく、
・ゆっくり丁寧にお米を扱う
(お米もいのち、大切な人のように扱う)
・感謝の気持ちをもって洗う
(目の前のお米にまつわるすべてに感謝する)
・お米がキラッと光る瞬間が見えたらOK
(洗い上りのタイミングはお米が教えてくれる)
など、言葉で説明するだけではわかりづらい心構えのような教えがありました。
有名銘柄のお米を買ってきたり、圧力鍋や土鍋といった道具を揃えるのは、
目に見えるので誰にでもわかりやすいです。
ですが、感謝の気持ちを持って洗うとか、キラッと光る瞬間が見えたらOKなどは、
目に見えません。得意な人と苦手な人に分かれるかも。
現実的な方からは
そんなことに何の意味があるのか?
そんなことでごはんの炊き上がりが本当に変わるのか?と言われそうです。
どこにどんな影響を与えているか証明できないですからね。
だけど本当に、何度も何度も丁寧にお米を洗い、
お米の状態に意識を向け、自然の営みに感謝して、
キラッとする瞬間とはどういうことか考えていくうちに、わかるようになるんです。
お米の輝きがフッと変わる瞬間が!いい状態になったーーーという瞬間が!!!
そうやって炊いたごはんは本当に美味しいです。
もしかしたら、それは私の思い込みで、他の人にとっては全然違うかもしれませんが、
その信頼があると、自分のやっていることが肯定できます。
自分を肯定する力は料理を変えてくれます。
美味しく仕上げる間合いやタイミングを感じ取ることが
できるようになるからです。